ABA(応用行動分析)は、心理学の一分野で、行動を理解し、改善するための科学的な方法です。
特に、自閉症スペクトラム障害の子どもたちへの支援に効果があることが多くの研究でわかっています。
ABAは、行動がどのように学ばれるのか、また環境がその行動にどう影響するのかに注目し、人の行動をよりよい方向に変えていく方法を研究する学問です。
<ABAの基本的な考え方>
- はじめに具体的な行動に注目します
例:「わがままな子」ではなく、「おもちゃを片付けない」という具体的な行動に注目します。 - 次にABC分析をします
行動を3つの要素で分析します
A(きっかけ・状況):行動の前に何があったか
B(行動):実際に起こった行動
C(結果):行動の後に何が起こったか - ABC分析からどこに問題があるのかを特定していきます(A?B?C?どこが問題か?)
①いきなり声をかけられることが嫌だったのか?
②自分の思う片付けのタイミングではないのが嫌だったのか?
③そもそも「片づける」スキルがないのか?
④「片づける場所がわからない」のか?
⑤おもちゃが散らかりすぎで「どこから片づけたらいいのかわからない」のか?
⑥「泣けば誰かがやってくれること」を学習しているのか? - 問題が特定できたら、その部分に支援をしていきます
子どもにスキルがない場合には、新たに正しい行動を教えていきます。
親は子どもの適切な行動を引き出す工夫を行います。
また、適切な行動が出た場合、適切なタイミングで褒めるようにしていきます。
<支援を成功させるポイント>
①良い行動を増やすために、その行動の後に好ましい結果(ご褒美など)を与えます。
② 大きな変化を一度に求めるのではなく、小さな目標から始めます。
ABAの特徴は、一人ひとりに合ったプランを作ることです。
子どもはそれぞれ違ったニーズを持っているので、その子にぴったりなプログラムを考えます。
これによって、子どもは自分のペースで学ぶことができ、成長していきます。
またABAは、短い期間での成果だけでなく、長い目で見た効果も大事にしています。
子どもたちが将来、自立して社会で活躍できるようにするための土台を作ることが目的です。
だからこそ、ABAでは持続的な変化を促すことに力を入れています。
ご家族がABAの考え方を理解し、日常生活に取り入れることで、子どもたちをよりよくサポートできるようになります。
ただ、実際にはABAの実践には少しだけ難しい部分があるもの事実です。
それは、『絶妙なタイミング』で『絶妙なヒント』を子どもに伝えることです。
だからこそ、専門家とご家族とが一緒に実践場面での支援が一番大きなカギとなると考えています。
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